「バードウォッチング」には、歩くことによる適度な運動効果と野鳥の声を聴いたり、姿を観察する事による癒しやリフレッシュ効果が期待できます。
日常生活に「バードウォッチング」を取り入れて健康維持し、パーソナルスペースを保ちながら身近な自然を楽しみましょう。

野鳥は身近にいます

見ようと思っていないと、見えてこないものがたくさんあります。自然環境で暮らす「野鳥」もそのひとつと言えるでしょう。ほんのちょっとでも「いるかもしれない!」と気をつけて見るだけで、みつけられるくらい判りやすい場所に出てきていることもありますから、気づかずに通り過ぎてはもったいないです。また、季節によって見ることのできる野鳥の種類が変わっていくのも、バードウォッチングの面白いところです。

耳をすます

注意して聞いていれば、家の近所を歩いていても野鳥の声が聞こえてきます。 当然、声のするところには野鳥がいます。 また、冬であれば声は聞こえなくても、地面の枯れ葉を動かすカサカサとした音にも注意を払ってみましょう。 野鳥たちが枯れ葉の下の虫を探している音かも知れません。 まずはその場に立ち止まって、音のした方を探してみましょう。

声のする方を探してみる

声が聞こえた方向に目を向け、動くものがないかじっと見て みましょう。じっとしている時の野鳥を見つけるのは難しいのですが、 動けば案外簡単に居場所がわかります。この時、観察する人は不用意に近づいたりせず、できるだけ動かない方が良いです。 野鳥が「動いた」=「逃げた」になってしまい、しっかりと 見る前に、遠くに飛び去ってしまいます。

公園

公園は小さな児童公園から、豊かな自然環境を持つ広い公園まで様々です。野鳥の種類・羽数が多く、見やすいのは広い公園ですが、桜などの木があれば児童公園にだって野鳥たちは来ます。買い物や散歩の途中に通りかかったら、「いるかもしれない!」という気持ちを持ってみましょう。スズメ、カラス、ハト以外のこれまで気づかず、見逃していた野鳥たちにきっと出会えます。

シジュウカラ

全長約14cm

人家の庭先に顔を出してくれることも多く、土の地面と樹木があれば、たいていの公園で姿を見ることができます。白い頬と、喉から腹にかけてのネクタイのような黒い帯が特徴です。全国に生息し、一年中見ることができる、スズメに次いで見やすい小鳥の一種と言えるでしょう。

ヤマガラ

全長約14cm

全国に生息し、公園や山地の林で一年中見ることができますが、シジュウカラほど頻繁に見かけることはありません。野鳥としては人を余り恐れない傾向にあり、比較的近距離で観察できることがあります。愛嬌のある正面顔でファンが多く、写真集も刊行されています。

ヒヨドリ

全長約27cm

ピーヨ、ピーヨと賑やかに鳴きながら、枝にとまっている姿を見ることが多いです。全身グレー系で、頬が茶色いのが特徴です。ほぼ全国に生息し、一年中見ることができます。花の蜜を好み、春には桜や梅の木にやってきて、嘴まわりを花粉まみれにしている顔がカワイイです。

ツグミ

全長約24cm

日本には冬にやってくる冬鳥で、開けた場所を好むので比較的見つけやすいです。地上に落ちている植物の実や、虫などの食べ物を探して歩いている姿を見ることが多く、食べては立ち止まり、胸を張った姿勢で周囲を見回すを繰り返します。赤茶色の羽根が目立ちます。

水辺

川や池には、野鳥たちの食べ物になる虫、魚、植物が豊富で、野鳥たちにとっても貴重な水の供給源となるため、野鳥が集まります。住宅地を流れる川でも水際、草地、水面などを「いるかもしれない!」という気持ちで探してみましょう。水面に突き出た枝にカワセミがとまっているかもしれませんし、冬には、北からやって来たカモ類が、見つけやすい水面に浮かんでいるかもしれません。

ハクセキレイ

全長約21cm

九州以北に生息。元来水辺の鳥ですが、芝生や駐車場などの舗装路上でも、食べ物を探して歩き回っている姿をよく見かけます。白い顔で目の前後に黒い線が走っているのが特徴。長い尾を上下に振りながら、チョコマカと歩き回るカワイイ姿は見飽きません。

カワセミ

全長約17cm

鮮やかなコバルトブルーの背が美しく、カワセミを見て以来バードウォッチングにはまった!という人も多い人気者です。全国に生息し、都市公園の池などで見られることも多く、水面に突き出た枝から水中を伺い、飛び込んで魚やエビなどを捕まえて食べます。

カルガモ

全長約61cm

全国に生息、他のカモ類はほとんど春には北に渡ってしまうが、カルガモは一年中見られます。ヒナを連れた様子が、テレビなどで紹介されることもあり、最も身近なカモ類です。雌雄の外見がほとんど同じなので見分けるのは難しいが、ヒナを連れているのがメスです。

コサギ

全長約61cm

体が大きく真っ白なサギ類は、遠くにいても見つけやすい野鳥です。川や池にいて首の長い白サギは、たいていダイサギかコサギ。コサギはダイサギの2/3ほどの大きさで、足指が黄色いのが特徴です。足を水中でブルブル震わせて、魚などを追い出して捕まえます。

はっきり見るには

双眼鏡

せっかく見つけた野鳥だから大きく見たい。けれども人が近づけば野鳥は逃げてしまいます。そんな時に役立つのが双眼鏡です。8倍の双眼鏡は野鳥までの距離を1/8に縮めて見せてくれるアイテム。例えば20m先の 野鳥を8倍の双眼鏡で見れば2.5mまで近付いて見た時の大きさで見られます。小さな青い点にしか見えなかったカワセミが、双眼鏡で見ればはっきりとカワセミだと認識できるようになります。

YFII 30-8

視界が広いため野鳥を視野内にとらえやすく、はじめての双眼鏡としてもオススメです。眼幅の狭い方やお子さまにも使いやすいモデルです。低倍率でさらに見やすい6倍モデルのYFII 30-6もあります。

SVII 32-8

優れた光学性能を高いコストパフォーマンスで実現。スリムなボディで持ちやすく、様々なシーンで活躍します。対物レンズ口径の大きいSVII42-8/10、SVII50-10/12もあります。

BDII 32-8XD

XDレンズを採用し、より明るくクリアな像をより高い解像度で観察できるハイスペックモデルです。広い視界と、絶妙の重量バランスを持つ高い操作性により、ベテランバーダーからも支持されています。

より大きく見たいときには

スポッティングスコープ

池の対岸など遠く離れた場所に野鳥を見つけた時、双眼鏡の倍率では物足りないと感じることがあります。そんな時に役立つのがスポッティングスコープ(地上望遠鏡)です。最大60倍(機種による)までの倍率を上げられ、双眼鏡でも小さくしか見えなかった野鳥を、大きく見ることができます。高倍率時にはブレて見にくくなりますので三脚に載せ、安定した状態で使用します。

TSN-502

持ち歩きが楽々、全長251mm、質量400gの小さく軽いボディで、20~40倍の高倍率の視界が楽しめます。対物レンズ口径は50mmで、ズーム接眼レンズが付属します。(傾斜型はTSN-501)

TSN-601

対物レンズ口径60mmの定番的なスポッティングスコープです。傾斜型は身長差のある数人が交代で見る時に便利。接眼レンズ(別売)の交換で倍率、視野角が選べます。(直視型はTSN-602)

他機種

コーワ双眼鏡、スポッティングスコープは他にもコンパクトサイズや、さらに明るく見やすい大口径モデルといった様々なモデルがあります。

撮ることもできる

スマビノ/スマスコ

コーワ双眼鏡、スポッティングスコープの接眼レンズにiPhoneを装着させて、拡大した像をそのまま撮影するシステムです。専用のiPhoneアダプターを使用することで、簡単に装着~撮影できます。スマートフォンのモニターに映し出された鳥たちを、数人で同時に見ることもでき、撮影した野鳥の画像は「撮れたて」をそのままSNSなどにアップすることも簡単にできます。

iPhone アダプター

iPhone6/6S/7/8/SE(第2 世代)に適合します。接眼レンズに押し込む「リング部」の交換によりコーワ双眼鏡、スポッティングスコープのほとんどの機種に装着できます。 *”iPhone”は、Apple Inc.の商標です。

数人でいっしょに見られる

野鳥はずっと同じ場所に留まっていてはくれません。接眼レンズを覗く順番を待っている間に、飛び立ってしまうことは良くあることですが、「スマスコ」を使用すれば同行者と同じ視体験ができます

そのまま撮影

野鳥がモニターに映っている状態で、そのままシャッターボタンを押せば撮影は完了。双眼鏡を接続する「スマビノ」を、三脚を使用せずに手持ちで行う際には、不安定になるので多少難しくなります。

観察時の注意点

■双眼鏡やスポッティングスコープを覗いたままでの歩行などの移動は危険ですのでおやめください。

■住宅地などでは双眼鏡やスポッティングスコープが、人家や人に向いていないか気を付けましょう。野鳥を見ていてもトラブルの元になりかねません。

■双眼鏡やスポッティングスコープで太陽などの強い光源を絶対に見ないでください。目に重大な損傷を与える原因となります。

■野鳥によって警戒心の強弱は違いますが、危険を感じる距離を越えて近づくとすぐに飛んで逃げてしまいます。近づき過ぎない距離で観察しましょう。

■双眼鏡を覗いている時は視野が狭くなります。他の人の通行の邪魔になっていないか、常に気を配るようにしましょう。

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