野鳥がもっと大きく撮れる一眼デジスコ

デジタル一眼レフではじめる超望遠撮影

Vol.3 もっと上手に撮るヒント

背景をすっきりさせると鳥の姿が引き立つ

  • 写真:チョウゲンボウ(撮影/叶内拓哉)
    木の枝の先にとまる小型の猛禽類、チョウゲンボウ。背景の緑まで距離があり、きれいにぼけていて、鳥のシルエットがはっきりわかる写真になった(撮影/叶内拓哉)
  • 写真:キセキレイ(撮影/叶内拓哉)
    キセキレイが枝にとまっているところを撮影。茂った枝がややうるさいが、背景が暗くなる場所を選んで撮れたため、鳥が背景に溶け込むこともない(撮影/叶内拓哉)

「野鳥を撮り始めて間もない頃は、鳥の姿をファインダーに収め、
ピントをしっかり合わせることで精一杯でしょうが、
少し慣れてきたら、背景を意識して撮るようにしてみましょう」と叶内さんは教えてくださいました。

高い位置にとまる鳥の場合、青空をバックに撮ると、きれいに撮れます。
ただし、順光(太陽を背にして)で撮れればいいのですが、
逆光(太陽に向かって)で撮ると、空が真っ白に写ってしまったり、
その逆に鳥が黒くつぶれてしまいがちです。

もし、背景に木々の緑がきた場合はどうでしょうか。
日が当っている明るい緑が背景(チョウゲンボウの写真参照)であれば、
どんな野鳥を撮る場合でも、いい背景になります。
日陰の暗い緑の場合(キセキレイの写真参照)は、
明るい色の鳥や白っぽい鳥であれば、いい背景になりますが、
暗い色の鳥や黒っぽい鳥では、背景に溶け込んでしまうこともあります。

また、周囲の枝が鳥と重ならないように気をつけましょう。
三脚を立ててから動き回ると、鳥が警戒するので、
三脚を立てる前に前後左右に移動しながら、
周囲の枝や背景の見え方を肉眼で確認して、撮る位置を決めます。

公園や都市河川に棲むカワセミ

写真:カワセミ(撮影/叶内拓哉)
カワセミにぴったりくる季節の風物といえば、ハスの花。水面から長く伸びた茎の先に付いたツボミ、ときには開いた花にもとまることがある。初夏を感じさせる、さわやかな組み合わせだ(撮影/叶内拓哉)

次のステップとして、叶内さんは、こんなアドバイスをしてくださいました。
「野鳥そのものをアップで撮るばかりではなく、
季節の風物を絡めて撮ると、趣のある野鳥写真になります」

まずは、季節ごとの花を絡めて撮影してみましょう。
春、梅や桜の花には、蜜を求めてメジロがやってきます。
このメジロと花の組み合わせは絵になります。
春といえば、ナノハナと野鳥の組み合わせも魅力的。
秋であれば、コスモスやキンモクセイなども
鳥の姿を引き立ててくれる季節の風物です。

季節の風物と言えば、冬の雪や秋の紅葉、ススキなども欠かせません。
こうした風物にも目配りし、野鳥と組み合わせて撮ることができれば、
野鳥撮影の楽しみがさらに深まるはずです。

鳥がいなくても完成された構図を作る

  • 写真:ホオアカ(撮影/叶内拓哉)
    ひときわ背の高いナノハナにとまるホオアカ。ちょうど顔を左に向けていることもあり、バランスのよい構図で撮れている(撮影/叶内拓哉)
  • 写真(レタッチ後):キセキレイ(撮影/叶内拓哉)
    上の写真から鳥の姿を消したナノハナ畑の写真。遠景のナノハナがぼけ、奥行きを感じさせる。また、中央やや右寄りにある背の高い1輪の花がアクセントになり、構図として成立している(上の写真をレタッチソフトで加工)

背景選び、季節感の演出の次は、構図の組み方です。
叶内さんによると、「優れた野鳥写真は、野鳥の姿が無くても絵になるもの」とのこと。

右の写真は、その一例。
ナノハナ畑をバックに、一輪の花に留まり、周囲を見回しているホオアカです。
とまっている花の位置は、画面中央より右側に寄っていますが、これは計算済み。
ホオアカが左を向いた瞬間を狙ってシャッターを切れば、左側に適度な空間のある
バランスのいい写真に仕上がります。

このホオアカの写真から主役である鳥の姿を消してしまった写真も見てください。
ナノハナ畑を撮った写真、といっていいほど、バランスのよい構図になっています。
鳥の姿がなくても、写真として成立する構図を目指せば、
おのずから野鳥写真としても完成度が高まるのだそうです。

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シーンに応じた撮影